一期一会

僕は毎朝４時半に起きている。
この季節ともなると日の出もすっかり遅くなり６時近くならないと明るくはならない。
最近、天気のいい朝の日課になっているのが、『アイソン彗星』の確認だ。

僕は未だに彗星というものを写真でしか見たことがない。
ハレー彗星も、へールポップ彗星も見ようとは思ったものの何となく見過ごしてきてしまった。
彗星は公転周期が長いので、同じ彗星には一生のうちに一回しか出会うチャンスがない。今回のアイソン彗星に至っては、もう回帰することはない、まさに人類が見ることが出来る機会は今しかない彗星なのだ。

茶道には『一期一会』という言葉がある。
この時間は2度と訪れることのない一度きりのもの。最高のおもてなしの心で迎えたいと思ってはいるが、こればかりは時の運もある。

なんとか千載一遇の出会いをするべく、早朝の東の空を、今は毎日見上げている。