2013-08-05
花火の情景

僕は線香花火が好きです。あの儚くも美しい光と『ちりちり』という音の侘びっぷりがたまらなく素敵で好きだ。
バケツの中へ「じゅっ」といって落ちる火玉を残念がり、また「もう1本」と蝋燭の炎にかざすのも乙でいい。
もちろん、盛大な打ち上げ花火にも感動はするのだが、ドーンと押しかけてくる力強さには、「ああ、もう結構です」と断りを入れたくもなる。
そんな打ち上げ花火も、遠く地平線に見たときには大分印象が違う。夜空の先に見える光は儚く、そして音もなく、散っていく様は、まるで誰かが線香花火をしているかのように写るのである。

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