2016年6月24日

ダース・マスゾエ

6月21日。東京都の舛添知事が、いろいろすったもんだの揚げ句に辞任した。
2年4ヶ月の任期は猪瀬前知事に次いで、歴代2番目の在職期間だそうだ。公金を私利私欲の為に使っておいてなお、知事を続けたいと主張する彼の答弁は「権力にしがみつこうとする」浅ましさしか感じられなかった。彼がどんなに「法律は犯していない」と主張したところで、恐らくは百人いたら百人とも、往生際の悪い犯罪者の言い訳にしか聞こえなかっただろう。

画して、舛添氏は都知事の椅子から降ろされたわけだが、参院選間近というこのタイミングで辞任したことは、結果的に世論の追求の目から逃れる格好となった。
しかも2,000万円を超える退職金にボーナスまで受け取った上でのドロンだ。都に残されたのは50億円に上る選挙費用だ。(これもかかり過ぎだと思うが)
年度予算にないのに、いったいこんな財源がどこから捻出できるのか、全くもって不思議だが、仮に選挙したから待機児童対策などが後回しになるようなことになったら損をするのは都民だけ。

舛添氏にしてみれば、参院選を前にした自民・公明に火の粉が降りかからないように人身御供になったわけで、身から出た錆とはいえ自民党総裁に恩を売った格好になる。
もしかしたら、舛添氏の方から、自民党に対してある種の「脅し」もかけていたかもしれないが、裏ではほとぼりが冷めた頃に国政への復帰を自民党は約束をしたのかもしれない。

舛添さんは、頭が良い人なのは確かだ。初めは本当に国民のために働いていたかもしれない。
しかし、永田町というダークサイドに引き込まれたのか、いつの間にかすっかりシスの暗黒卿になってしまった。
ゴシップ記事では、若い頃からその強欲ぶりの片鱗があったと言われているが、そんな野心は少なからずみんな持っている。しかし、パワーを手に入れたからこそ、己を戒めていかなければならないのではないだろうか。

今、ニュースの中心は、参院選と都知事選、それに英国のEU残留を問う国民投票が加わり、すでに舛添氏の話題は影を潜めつつある。
このままズルズルとリオオリンピックが終わった頃には、過去の出来事としてすっかり忘れ去られてしまうのかもしれない。
本心は公費を使ってリオ・オリンピックとサンバカーニバルを家族で楽しんでから、辞めたかったようだけど、
彼にしてみれば、大金をちょろまかした上に、退職金まで出してくれて、罪にも問われないなんて、笑いが止まらないだろう。

そう、彼にはもうジェダイのような心は、かけらも残っていないのだ。

©BAKAORU
2016-06-24 | Posted in RAKUGAKI ESSAYNo Comments » 

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