おいしい食事とは

何度も言うが僕は美食家である。
だが、それは決して高価な食材で一流の料理人が作った食事が好きだという事ではない。
僕は食事に美しさを求めるのである。食事の美しさとは、見た目ももちろんだが、食事を作った人間のもてなしの美しさでもある。たとえ、ご飯とアジの開きであっても、焼き立てを出すのとそうでないとでは美味しさに雲泥の差が出る。
食事中の会話への配慮も重要だ。
会社の不満や、人の悪口を種に会話をしようとするのは、同じテーブルを囲む人間に対して、非常に失礼で無礼な行為だと思う。
いくら腹が減っていても、食事中に不平不満を延々と聞いていると美味かったかも知れない食事も台無しだ。
テーブルについた瞬間から、こちらの気分などおかまいなしに他人の悪口を吐き出しはじめる。
こちらが下手に「まぁ、まぁ、落ち着けよ」なんて言おうものなら、逆上して食事どころではなくなるので、
我慢して聴いているうちに、すっかり食欲は減退し、「もうお腹いっぱい、ごちそうさま」と早々にテーブルを立ちたくなる。
食事とは「人を良くする事」と書く。
そして料理には、作った人間の「人を良くしてあげたい」という、心の優しさが表現される。
頂く側としても、相手が気持ちよく食べてもらえる配慮が必要なのだ。

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