UNREALITY

震災の起こったあの日。
テレビに映し出された映像は、まるでハリウッド映画のようで現実感が全くなかった。
起こるはずのない災害。想定外の災害。
目の前の現実とは、あまりにかけ離れ受け入れるのに時間がかかった。
あれから3年の今日。
テレビは「愛」の溢れる言葉で満ちている。
今なお続く被災者の現状を伝え、誰もが、がんばる彼らにエールを送っている。
彼らの言葉は、紛れもない真実であることは間違いない。
しかし、なぜかテレビやネットを通じて「その言葉」を聞くとリアリティが薄れてしまう。
メディア慣れしてしまったせいなのか、僕がねじれ者なのか、どうも細部まで100%信用できない。
悲しいけど、人は100%の善人がいない。
極端な話、中には震災直後の「泥棒」のように「復興」を利用する商魂逞しい人もいるかも知れない。
メディアはスポンサーがあって初めて成立している。
ある特定の権力に都合の良い情報しか流していないかも知れないと、疑い出すと信用しきれなくなってしまう。
何が真実で、何が虚偽なのか?
見極めるには、僕はあまりに無知で馬鹿である。
さて、フクイチで元請けたちに搾取されながらも、自分の身を呈してお国のために毎日戦っている作業員の人たちの目には、今のテレビは現実として映っているのだろうか?
