Keychron K8 Pro 導入記(5)QMK/VIAで疑似TouchIDを実現する
TouchID付きのApple Magic keyboardって楽なのよね
丁度1年前に、僕は27インチiMac2020 と、Apple M1シリコン搭載されたiMacをApple Trade inをしました。その際にキーボードをテンキー付き/US配列の「Magic Keyboard」(Lightning)を選択したのですが、このiMacから付属するキーボードにはTouch IDが搭載されました。
Macへのログインやクレジットの認証など、それまでログインパスワードの入力を求められる場面で求められるパスワード入力の手間が、TouchIDにタッチするだけで自動入力され、作業効率が格段に良くなりました。
しかし、数字入力もするのに便利だろうと選択したテンキー付きキーボードでしたが、横幅が大きくマウス操作に夢中になるとキーボードに接触することも多く、作業しづらいこと、しづらいこと(笑)
Keychron K2の評判を聞きつけた際に、Apple Watchの認証もあることだし、思い切ってキーボードをKeychronに変えたわけでした。
しかし、やっぱりログインパスワードの入力は面倒くさい
AppleWatchを装着している時は、スリープからの復帰でログインパスワードの入力を気にすることもないのですが、風呂上がりなどの未装着時には、入力し慣れたログインパスワードとはいえ、やっぱり入力しないとなりません。
たまに、キーチェーンアクセスappでの、「WEBサイトのパスワード確認」などは、確認するたびにログインパスワードを入力しなければならないので、もっと面倒な思いをします。
Keychron K8 Proの電球キーで、ログインパスワードを自動入力させるw
Keychron K2のときには、致し方なしと受け入れていましたが、せっかくKeychron K8 Proになったので、QMK/VIAを使えばパスワードの自動入力っていうのができるんじゃないかと思いつきました。
変更対象のキーは、「電球キー」(←呼び方があってるか疑問)。
Keychron K8 Proの「電球キー」は、Apple純正キーボードにはない「バックライトのエフェクト切替」に割り当てられたキーですが、デフォルトの「Fnキー操作のレイヤー1」の割り当てで、バックライトに関する各種設定が割り当てられていますので、通常時に別のキー動作を割り当てても構わないキーなのです。
はじめは、かつてのMacintoshのように、Macの起動をキーボードから出来るようにするのもノスタルジー感もあっていいかなとも思ったんですが、最近のデスクトップのMacは、電源をON/OFFする機会もめったにないので、「ログインパスワードの自動入力」による「スリープ解除」のほうが便利だと思い直しました。
マクロの設定は、パスワードのキーコードを順番に並べるだけ
前回同様に、VIAのMACROメニューから、パスワードのキーコードを設定します。
既に「MACRO 0」には前回の「地球儀キー」の設定がされていますので、今回は「MACRO 1」として設定します。
設定は、いたって単純です。自分のログインパスワードを、そのままQMKキーコードに直して入力するだけです。
仮に、Macのログインパスワードが、【 ABCD1234 】なら、QMKキーコードでは、
【 {KC_A,KC_B,KC_C,KC_D,KC_P1,KC_P2,KC_P3,KC_P4} 】となります。入力する時は「中括弧」で囲むのと、書いたらSaveするのもを忘れずに。
ただ、このままだとパスワードが自動入力されただけですので、ログインするには「 ENTER」が必要になります。どうせなら「ENTER」まで自動で処理させて、TouchIDのように1つのキーでログインさせるには、ウインドウ下にある「Tap ‘Enter’ at end of macro」をオンにしてください。
これで、マクロが終わったらENTERキーもタップされたことになります。
おお、スリープからの復帰が一発でできるぞ!これは、まさにTouchIDでは??
「MACRO 1」の設定が終わったところで、このマクロを「電球キー」に割り当てます。
左メニューの「KEYMAP」から、「電球キー」のあるキーを選択します。僕のKeychron K8 ProはRGBなので、デフォルトでのこのキーは「RGB Md+」になっていました。
このキーを選択したら、左下メニューの「MACRO」から、「M1」を選択して割り振ってください。これで、「電球キー」が「疑似TouchID」になりました。
実際に、Macを強制スリープさせてから、「電球キー」をタップすると、おぉ、うまく復帰できた。その感覚は、まさにTouchID。
起動時やスリープ復帰からのログインだけではなく、キーチェーンアクセスのような認証を求められる場面でも、この「電球キー」だけで大丈夫だ。
しかし、そこはあくまで「疑似TouchID」・・致命的な欠陥もありますw
お気付きの方も多いかと思いますが、この「疑似TouchID」の使用は、ダブルオーの「疑似太陽炉」同様に非常にヤバい欠陥があります。
そうです。それは、ログインパスワードを知らないユーザーでも、ログインできてしまうということ(笑)このキーひとつで、Macにアクセスできるのはもちろん、キーチェーンアクセスでクレジットカード情報まで見ることが出来てしまいます。
まさに、禁断の「疑似TouchID」です。
もっとも、僕のようにいつも孤独に自宅ワークをしている人間にとっては、それはさほど大きな問題ではありません。仮に僕の素性がバレ、自宅に某国のスパイが侵入しても、「電球キー」以外では、普通にロックされたログイン画面が出るだけです。何も知らないスパイは、きっと何度かログインを試みた後であきらめてしまうことでしょう。
Macbookなどをノマドで使っているような方でも、一緒に1.5kgのKeychron K8 Proを持ち運びしない限りこの「疑似TouchID」を使うことはできません。
あとは、地球儀キーの「OSA/PBTキーキャップ」さえあれば・・
全5回に渡って、Keychron K8 Proについて書いてきましたが、これでひとまず完了です。
実は、他にもQMK/VIAを使って、スクリーンショットキーの割り当ても、「⌘+シフト+5」への変更もしてありますが、マクロの作り方は同じなので省きます。
これで、Keychron K8 Proもだいぶ慣れ親しんだApple Magic Keyboardの配置に近づいたのではないかと思います。
欲を言えば、「ins」キーのキーキャップだけ、なんとか「地球儀」のキートップにしたいな。Keychron はキーキャップの変更も容易なんだけど、他社のものよりKeychron K8 ProのOSA/PBTキーキャップは、出来が大変素晴らしく触り心地が心地いいので、Keychron社で販売してくれることを切に願います(笑)
次回予告「みんなが待ってた!待望のKeychronの NumberPad【Keychron Q0】 話」です。
Keychron K8 Pro導入記(その5)